子どもたちはなぜキレるのか。○○○のある子どもに反抗期はない!?

「今は素直でかわいい子どもたちも、思春期になったらキレたり反抗的になったりするのかしら?」子を持つ親なら、そんな心配をしたこともあるのでは?

しかしある力を身につければ、反抗期のない子どもに育てることも可能なのだという。今回は東進ハイスクールで“現代文のカリスマ”として知られる出口汪先生にお話をお聞きした。

そもそも子どもたちは、なぜキレる?

出口「そもそも子どもは、なぜキレるのか。それは自分の中にある色々な想いを論理的に表現することができずに、感情的に爆発させるしか術がないからです。しかし論理力があれば話し合って解決できますので、他人と衝突することがありません。つまり、キレない子どもに育つのです。ただし、子どもに論理力があるだけではNGで、親の論理力もマストです。親に論理力がなく子どもにだけ論理力があると、子どもが親をばかにするようになってしまいます。親に論理力があると、子どもが親を尊敬し、円滑にコミュニケーションがとれるので反抗期がないのです。」

DSC_6000.jpg「論理力」とはよく耳にする言葉だが、具体的にどうしたら身につく力なのだろうか。

頭の良し悪しは遺伝、論理力は訓練

出口「実は論理=言葉の使い方なのです。一定の規則に従って言葉を使うことが論理です。頭の良し悪しは遺伝的要素もありますが、論理は後天的学習訓練によって培うことができます。」

論理力を身につけるということは、すなわち言葉の正しい使い方を身につけること。そのために、親子で実践できるトレーニング方法があるのだという。

出口「普段から言葉のルールを意識して会話をするようにしましょう。たとえ小さなお子さんでも、年齢に応じたトレーニングを行ってみてください。」

例えば子どもが何かを欲しがっているとき。

「欲しい!」と言われたから与えるのではなく、「なぜ欲しいのか」「買ってもらう代わりにどんな約束ができるか」まで、子どもが自らきちんと伝えることができたときに初めて与える。

子どもを叱るときも「自分で約束したのに、できなかったから」「こうしたら他人に迷惑がかかるから」と論理的に説明して、子どものうちからルールを意識できるように接していくのだ。

出口「こういったコミュニケーションが不足すると、社会性がなかったり、わがままな子どもになったりする可能性があります。親が感情的で論理性がないと、その親と接している子どももそうなるでしょうから、親も子どもと一緒に論理性を身につけてくださいね。」

グローバルコミュニケーション=論理力

論理力は親子間のコミュニケーションだけでなく、社会に出てからも大いに活躍する。例えば近年は「グローバル化」が大いに叫ばれているが、「グローバルな人間=英語を話せる人間」ではないと出口氏は話す。

DSC_5985.jpg出口「グローバルコミュニケーションとは、文化や価値観の違う国の人間と意思の疎通ができるか否か、つまり相互理解ができるかどうかということです。それには英語力だけでなく、論理力が不可欠です。感情論だけで話せば当然文化の違いから摩擦も生まれる、しかし論理力という世界共通ルールを持って話せば通じ合えるのです。」

文章を書くことも素晴らしいトレーニングに

論理力を鍛えるためには、ルールに沿った文章を書くことも良いトレーニングになる。

出口「大人になってからルールを身につけるのは難しいので、幼児期のうちからトレーニングを行うべきです。幼児期は言葉を覚え始める時期なので、それと同時に言葉の使い方のルールを学ぶのが良いのです。」

家庭内できちんと会話が成立していると、「この子は日本語がちゃんと使える」と思って安心してしまう親もいるかもしれない。しかしそれは、家庭内という狭い世界でたまたま通用しているだけであって、世の中の不特定多数の人に通用する日本語が書けるとは限らない。

出口「瞬時に消えていく話し言葉と違って、書き言葉は間違いが発見されてしまうので失敗は許されないという難しさがあります。また、ジェスチャーや表情で補える話し言葉に対し、書き言葉は文章だけですべてを表現しなければいけません。書き言葉をきちんと習得すべきです。」

話し言葉よりも正確性が問われる書き言葉を使うことは、論理力を鍛える素晴らしいとレーニングとなる。

日記を書く、作文を書く、国語の記述式問題を解く。書くトレーニングを繰り返すことで、論理力を培うことができるという。

書くことは「慣れ」が大きいと話す出口氏。書くのが嫌いという感情は、普段から書き慣れていないからそう感じるだけかもしれない。まずは、書くことから始めてみてはいかがだろう。

<<出口汪>>東進ハイスクールの現代文のカリスマ講師。2000年に教材開発・出版を目的とした水王舎を設立。小学館刊行の「出口汪の日本語トレーニング」が反響を呼ぶ。

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