現在は弁護士として活躍中!3年連続受賞者に聞く「作文を上手く書く秘訣」

子どもが夏休みに持ち帰ってくる学校の課題。保護者として通常の科目であれば教えられますが、読書感想文となると「どう教えればいいのか…」と悩むところですよね。

今回は、青少年読書感想文全国コンクールにおいて3年連続の入賞を果たし、現在は弁護士として活躍されている阿久津裕美さんに、作文の書き方についてお聞きしました!

3年連続入賞という輝かしい記録を残していらっしゃいますが、初めて作文を書いた時のことを覚えていますか?

ただ文章を書くというならもっと前かもしれませんが、読書感想文という形できちんと文章にしたのは、小学1年生だと思います。夏休みの課題として、小学校1年生から6年生まで、そして中学・高校と、毎年夏休みには読書感想文を書いていました。

本を読むのは好きな方でしたか?

すごくたくさん本を読む、というほどではないかもしれませんが、本を読むことは好きでした。中学生の頃はミステリーにハマっていて、宮部みゆきさんの作品が大好きでした。一番好きだったのは『返事はいらない』という短編集です。『魔術はささやく』などの比較的長めの作品も好きだったのですが、少し飽きっぽい性格なので、どちらかというと短編を多く読んでいました。

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読み始めるとのめり込んでしまうので、試験が近くなってくるとなかなか時間が取れません。それでも、試験勉強で相当な量の問題演習をこなすなかで、現代文の課題文などもたくさん読んだと思います。現代文の課題文に向かい合っているだけで結構楽しいと感じられたので、やっぱり文章を読むのは好きだったのだと思います。

課題として読んだ文章でも、自分の中で強く印象に残っている作品があります。タイトルは忘れてしまいましたが、確か小松左京さんの作品だったと思うのですが、環境問題を取り扱った文章が課題にあって、皮肉めいた書き方がすごく好きになったことも覚えています。

読書感想文全国コンクール、3年連続入賞の秘密は!?

受賞された高校時代は、どのように作文と向き合っていましたか?

私が通っていた宇都宮女子高校は、国語には特に力を入れている学校でした。ですからコンクールで入賞できたのも、担当の先生方が懸命に指導してくださった結果です。1年生の時にサントリー奨励賞をいただいたのですが、びっくりしたと同時に「私が受賞してしまっていいの!?」というのが正直な感想でした。私はとても恵まれた環境にいたのだなと思います。
今回、入賞した読書感想文を読み返してみましたけれど、こんなこと書いたんだっけ、という感じで少し恥ずかしいです(笑)。

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2年生、3年生と連続入賞されていますが、作文に対する想いは変わりました?

2年生の時に毎日新聞社賞をいただいたので、「これは3年目も良い作文を書かなきゃいけない」というプレッシャーが強くなりました(笑)。ただ、入賞したことで作文に対する姿勢が変化することはありませんでした。

私は出会った言葉、自分が素敵だと思った言葉を大切にストックし、折にふれて思いをはせるのが好きなんです。2年生の時に入賞した読書感想文は、「『人生はからくりに満ちている』星野道夫氏の言葉を私は真っ先に思い出した」という文章で書き始めています。これは読書感想文の課題図書『オレンジガール』(ヨースタイン・ゴルデル著 猪苗代英徳訳 NHK出版)を読んでふと思い出した文章でした。

自分が出会った文章や言葉が、自分が読んだものの中でつながる瞬間はすごく素敵だと感じます。これは私が「文章が好き」という一番の理由です。自分がどういう文章に出会って何を考えてきたのかを、これからも大切にしていきたいと思います。

良い読書感想文を書くテクニックやコツはありますか?

妥協しないという姿勢は大事だと思います。いかに一つひとつの表現にこだわって書くか、ですね。一度書き上げてから冷静に読み返してみると、「なんだこれ?」と思うこともありますよね。

そういう時は、思いついては書き直し、読み返して、また違うと感じて書き直します。直してみたら次はここが気になってくる、というふうに、いつまで経っても文章を書き終えられないこともあります。

しかし「もうちょっとだけ頑張って、良いものにしよう」という想いが、最終的には良い作文が書けることにつながるのだと思います。私が仕事で契約書の作成・検討をする時もまったく同じで、どれだけ文章にこだわれるかが大切だと感じます。

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弁護士として日々文章に向き合う毎日

現在弁護士のお仕事をされていますが、作文の経験が役に立っていますか?

私が弁護士として担当している案件は金融関係が主です。
お客様の立場に立って、「その契約を締結して問題がないか」「相手方から来た契約書の中に、こちら側に不利なものは入っていないか」などをチェックする仕事がメインです。

契約書の文章は基本的に一義的なものでなければいけません。一義的とは、それ以外に意味や解釈が考えられないことで、いかに正確であるか、誤解を生まないかが重要です。契約書の文章は型が決まっているものが多く、出来のいいものには必要十分な情報が簡潔に書かれています。ある意味、様式美的な美しさがあるので、私は契約書を読むのが結構好きです(笑)。学生の頃に書く作文とはまったく違いますが、一つひとつの言葉にこだわってきた経験は、間違いなく今の仕事に活かされていると思います。

作文を書くことについて、全国の子どもたちにメッセージをお願いします

文章を書くことは、自分の頭の中にあるものをアウトプットする作業。そして「自分が書いたもの」は、「自分が考えた過程」です。書くことで考えて、書いたものを読むことでまた自分の理解が整理されて、それをもとにまた考えるということを繰り返します。

自分の頭の中にあるものを外に出すのはすごく大切で、そういう経験を多く積むことは「自分がどれだけ考えられる人間になるのか」につながります。子どもの頃には、できるだけたくさんこの経験を積んだ方が良いと思います。

夏休みの課題だった読書感想文ですが、私はやっていて良かったなと思います。よほど書くことが好きでないと、自発的に文章を書くということはしないでしょうし。
学校の勉強って「なぜこういうことをしなきゃいけないんだろう」と思うことも多いかもしれませんが、その時に学んだことは、社会に出た時に基礎的な教養として要求されるものばかりです。たくさん勉強しておけば、将来絶対に役に立ちますよ!

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