【陰山英男先生に聞く!】作文力の有無で学力に差がつく時代に!?家庭でできる「書く」トレーニングとは?

「読み・書き・計算」は、子どもの学力向上に大切ということは遠い昔から言われ続けていることだが、書くこと、特に文章を書くということの能力は、いきなり練習を始めても簡単に向上するものではない。

幼少期から小学校の間に書くことに慣れておかないと、中学・高校でいきなり文章力を上げようとするのはなかなか難しい。

そこで、小学校教育の第一人者で、「隂山メソッド」によって子どもたちの学力向上を実現してきた隂山英男先生に、書くことの能力はどうすれば上がるのか、家庭でできる学習方法はあるのかを尋ねてみた。

家庭でできる、書く力を向上させる方法は?

書く力を家庭で向上させるためには、何をしたら良いのだろうか? 隂山氏は、まず次のような方法を示してくれた。

「最初は会話ベースで良いのです。子どもに、自分が考えていることを話させて、それに対して親が『それはどうなの?これはどうなの?』と質問をしながら深めていきます。そして子どもが自分の言いたいことを整理できたら、『最初からもう一度分かるように話してごらん』と言ってあげるのです」

この会話ベースでのやりとりがきちんとできるようになったら、次は構成を考え、書かせるのだと言う。

「自分の考えたことを書いて、推敲をして、主語から述語まで整える力はとても重要です。これを何度も繰り返していくうちに自然とまとまった作文が書けるようになり、さらに話した時にも主語と述語が一体化して、相手に考えを伝えられるようになるのです」

まずたくさん書く、そして整える。その順番を間違えないように!

隂山氏はさらに、子どもの書く力を向上させるためには「とにかくたくさん書く。できるだけ速く書く。それができてから、きれいにまとめること」が大切だと説く。

「最初からきれいに書かせようとすることは間違い。実はきれいに作文をするということは、かなり高度な能力が要求されることで、子どもは嫌になってしまう可能性があります。まず書き慣れること。書くことが苦にならない状態を作り出すことが大切なのです」

書く内容は何でも良い。毎日10行でもいいから作文を続けることが大切だ。しかしたとえ10行であっても、毎日書いていたら書くことがなくなってくる。そこで陰山氏は、「うそ作文」を書けば良いのだと提唱する。

「うそ作文」とは、自分の想像したことを何でも自由に書くこと。自分が発想したことを何でもいいから自由に書いていいとなると、子どもは書くことを嫌がらないし、自然と作文を書くことに抵抗がなくなる。

「そしてこのうそ作文を書いた時は、親の反応が特に大切です。『どうしてこう思ったの? 面白いね!』などとコメントしてあげれば、子どもはきちんと相手に伝わったという嬉しさから、次はもっと上手に書こうと努力します。そして表現力もさらに磨かれていくでしょう」

書くことの副次的効果は、集中力が高まること!

書くということは、脳神経を活発に動かして行うこと。上記の「うそ作文」であっても、書いていれば脳は動き続けていて、最も集中力が高まる瞬間でもある。それは教科書の文章を写すだけでもいいのだ。

「特に小学校1~2年生の子どもにとっては、書くということは脳と指先のトレーニングになるのです。最初はなかなか思うように指先は動かず、そんなに長く書けるものではありませんが、とにかく速くたくさん書くことが大切です」

小学校に入る前に、幼少期から指先をトレーニングすることも効果的なのだろうか?

「言葉に限らなくても、絵を描いているのでも構いません。絵を描くレベルが上がってきたら、何か心を込めて描かせてみればいい。すると書くことが楽しくなってくる。それは、楽しく文章を書くことにもつながっていくのです」

書くことは、子どもの将来につながる力になる!

隂山氏は「ノートをたくさん書いていた授業とノートの量が少なかった授業で、テストの成績が違ったというデータがあります」と語る。ただ聞いているだけではなく、手を動かして書くことで集中力が高まり、その結果頭の中に知識や情報が入る。

また、子どもが将来世界と向き合った時には、書いて表現することがより大切になるという。

「国際的な学力とは、単に何かを覚えている・知っているというだけではなく、それらを活用して論理をくみ上げ、自分の考えをはっきりと言葉にし、それをもとに行動していくことが問われていくのです。そうした力は、しっかり書くことによって形成されると考えています。そして、書かれたことをまとめていくためには、スピーチのように、短時間で自分の思っていることをきちんと言葉にして表現できる力が大切です」

陰山氏は「書くことは思考である」と考え、書くことによって、初めて本格的に脳は動くのだと語る。

書く能力を鍛えるため、親子で一緒に鉛筆を持って作文をしてみてはいかがだろう?

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