「壮大なスケールの物語世界」-オトナも読みたい!今月の本

ドラゼミの問題作成者である佐藤友樹先生が毎月テーマに沿った本をご紹介する「オトナも読みたい!今月の本」。
8月の本は、「壮大なスケールの物語世界」。夏休みに時間をとってじっくりと深く読むのにピッタリの4冊です。


  1. 『ちいさなおおきなき』 夢枕獏=文/山村浩二=絵 (小学館)
  2. 『ドングリ・ドングラ』 コマヤスカン=作・絵 (くもん出版)
  3. 『マジック・ツリーハウス第1巻 恐竜の谷の大冒険』 メアリー・ポープ・オズボーン=作/食野 雅子=訳 (KADOKAWA/メディアファクトリー)
  4. 『精霊の守り人』 上橋 菜穂子=作 (新潮文庫)

『ちいさなおおきなき』

夢枕獏=文/山村浩二=絵 (小学館)

-幼児から大人まで-

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ちいさな木の芽から壮大な物語が生まれる…

はじまりはちいさな芽。やがておおきな木となり、生命が宿り、動物が、人間が・・・・・・。おおきな木の世界で、ひとつの歴史が刻まれていきます。

それは、ちいさな芽には希望に満ちた未来だったはず。しだいに文明が進み、ビルが鉄道が、街が建設されていくのでしたが、世界は欲望に満ちてゆき、争いを繰り返してやまず、しだいに自ら破壊への道に突き進むのでした。

まったくもって、それは地球に生命が誕生してからの地球の生物の歴史をみているかのようで、考えさせられます。かくも壮大な物語を、山村浩二さんの絵が細密に描いていて魅力いっぱいの絵本です。


【作者】 夢枕獏(1951~ )神奈川県小田原市生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。小説家。安倍晴明を主役とした『陰陽師』シリーズは、晴明ブームのきっかけとなった。1988年、第10回日本SF大賞を『上弦の月を喰べる獅子』で受賞。1998年、第11回柴田錬三郎賞を『神々の山嶺』で受賞。絵を担当した山村浩二(1951~ )さんは、アニメーション作家として国際的な賞を多数獲得。アカデミー賞にも正式にノミネートされました。

『ドングリ・ドングラ』

コマヤスカン=作・絵 (くもん出版)

-低学年から大人まで-

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細密に描かれたドングリたちの大冒険

海の向こうで火山が爆発する島を見たトチノミたろう。森のドングリたちに呼びかけて、「ドングリ・ドングラ」のかけ声とともに島をめざして長い長い旅が始まりました。その道中、おそいかかるリスと戦い、厳しい雪山や砂丘を越えて進みます。芽が出て脱落するドングリもいたが、砂浜の漂着物を使って海を渡り、ついに島にたどりつきます。

ドングリたちの島への旅の目的は……。勇気と希望の大冒険は感動の結末を迎えます。たくさんのドングリたちとその背景をすみずみまで描きこんでいて、独特の別世界に読者を連れて行く作者の手腕に脱帽です。


【作者】 コマヤスカン(1967~ )三重県生まれ。34歳にして絵本作家になることを決意し、子どもの本の専門店メリーゴーランドの「絵本塾」で絵本作りを学ぶ。2008年、第30回講談社絵本新人賞を受賞した『あっぱれ! てるてる王子』で絵本作家デビュー。絵本作品に、『新幹線のたび~はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断~』(第43回講談社出版文化賞絵本賞受賞)『決戦! どうぶつ関ヶ原』(以上いずれも講談社)、『びっくり ゆうえんち』(作・川北亮司/教育画劇)などがある。

『マジック・ツリーハウス第1巻 恐竜の谷の大冒険』

メアリー・ポープ・オズボーン=作/食野 雅子=訳 (KADOKAWA/メディアファクトリー)

-中学年から大人まで-

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本の中の世界に冒険できるなんて素晴らしい!

 

本の中の世界に入りこんで遊べたら、どんなに楽しいだろう。子供のころにそんなことを考えたことがある人もいるでしょう。この本は、そういう夢を実現する物語。

本の虫でまじめで慎重な性格の兄ジャックと、冒険大好き、空想好きで行動派の妹アニー。ある日、ジャックとアニーは、森の中の木の上に不思議な小屋(ツリーハウス)をみつけます。この小屋の中にある本を開くと、木がぐるぐる回転し始め、その本の中へとタイムスリップするのです。

大人気シリーズとなった第一巻では、恐竜たちのいる時代へと入り込み、ハラハラドキドキの冒険をします。


【作者】 メアリー・ポープ・オズボーン(1949~ ) アメリカ・オクラホマ州出身。ノースカロライナ大学で演劇と比較宗教学を学んだ後、世界各地を旅し、児童雑誌の編集者などを経て、児童文学作家となる。1992年に出版した「恐竜の谷の大冒険」を第1作とする「マジック・ツリーハウス」のシリーズは、全米で空前の大ヒットとなり、現在も書き継がれ、世界中に翻訳されている。

『精霊の守り人』

上橋 菜穂子=作 (新潮文庫)

-高学年から-

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構築された豊かな物語世界に誘い込まれます

目に見える人間の世(サグ)と目に見えない精霊たちの世(ナユグ)があり、この二つの世界は同じ時と場所に重なって存在しています。

本作品は、これらが交錯する世界で活躍する、短槍使いの女用心棒バルサを描いた「守り人」シリーズの第1作。異界の精霊の卵を身体に宿したために、実の父である帝や、異界の魔物から命をねらわれる新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを、バルサが全身全霊、いのちがけで守ります。

建国の神話や先住民の伝承など、文化人類学者である作者ならではの緻密な世界構築とストーリーテーリングの巧さによって、国際的にも評価の高い作品です。


【作者】 上橋 菜穂子(1962~ )。作家・文化人類学者。東京都生まれ。香蘭女学校高等科卒業。立教大学文学部卒業。立教大学大学院博士課程単位取得(文学博士)。専門は文化人類学。オーストラリアの先住民アボリジニについて研究している。1989年『精霊の木』で作家デビュー。主な著書に『精霊の守り人』を初めとする「守り人」シリーズ、『狐笛のかなた』、『獣の奏者』、『鹿の王』などがある。第34回野間児童文芸新人賞、第44回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、第23回路傍の石文学賞、第25回巌谷小波文芸賞など、受賞歴も多数。

夏休み、本を開いて壮大なストーリーの世界へ!

いかがでしたか?夏休み、お子さんと読んでお互いに感想をお話ししてみてください♪

今回、本をご紹介している佐藤友樹先生が問題を作成している小学館の通信教育ドラゼミなら、作文を書く力、伝える力が育ちます!

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