陰山流!読書感想文を上手く書くテクニック大公開!

夏休みの宿題の中でも、頭を悩ませがちな読書感想文。夏休みも後半に突入し、お子さん・保護者ともに苦戦中…というご家庭も多いのでは?

そんな方々をアシストすべく、作文指導に力を入れるドラゼミでは、8月9日(火)、京都市内にて『陰山英男先生による読書感想文レッスン』を開催しました。

陰山先生といえば、立命館小学校校長顧問・ドラゼミスーパーバイザーであり、毎日小学生新聞のコラム枠にて「百マス作文」を紹介していたことでもおなじみです。そんな陰山先生のレッスンは、読書感想文の書き方に悩む方必読のテクニックが満載でした!

「感想」だけで感想文は書けない?

今回のレッスンにはドラゼミを受講いただいている小学一年生のお子さんおよび保護者の合計9組に参加いただきました。レッスンがスタートして、最初に陰山先生はこう質問しました。

「みんな、自分が選んだ課題図書を何回読みましたか?」

1回だけ読んだ子、3~4回読んだ子、毎日読んだ子。読んだ回数はみんなバラバラ。
なぜ陰山先生はこんな質問をしたのでしょうか。

「実は“感想”だけで文章を書くことは難しいんです。まずはきちんと本の内容を理解・分析して、自分の“思い”を作っていかなければいけません。そのためには、20回読んでもいいくらいです。1回しか読んでいないという人は、もう一度じっくり読んでみてください。」

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熱心に耳を傾ける参加者たち

陰山先生の言葉を受けて、子どもたちは持参した課題図書をもう一度読み始めました。

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本の内容をきちんと理解することが大切

<ポイント>感想だけで読書感想文を書くことは難しい。本の内容を理解・分析するために複数回読むこと。

保護者が手伝うのはNGではない

次に陰山先生は、保護者にもアドバイスをしました。

「小学一年生の子に“自分で自由に書きなさい”と言っても、書けないのが当たり前です。無理に一人で書かせようとしなくていいので、一年生のうちは保護者が助けてあげましょう。」

一年生は「一人で書けるようになること」よりも「文章を書くために一生懸命努力すること」が大切。その努力する姿勢は、作文はもちろん、他の教科にも役立つとのことです。

「保護者がお子さんの読書感想文のお手伝いをすることは、決して悪いことではありません。ですから、今日はおうちの方も“お手伝いの方法”を覚えていってくださいね。」

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保護者も一緒に取り組んでみよう

<ポイント>無理に一人で書かせようとせずに、保護者が上手くサポートしてあげよう。

まずは「書き方の基本」から

「文章を書くのが好きな子は手を挙げて。」
陰山先生がそう促したところ、手を挙げる子は一人もいません。しかし「絵を描くのは好きだよ!」と声を発した子がいました。

「一年生はそれでもいいでしょう。絵を描いて指先を動かすことは、脳を刺激することにつながります。絵を描くことも、文章を書くのと同じくらい脳を賢くしますよ。」
そんな会話で場が和んだところで、いよいよ読書感想文の書き方を学んでいきます。

「まず、いきなり“感想”を書こうと思ってはいけません。お子さんに本の感想を聞いても、『面白いもしくは面白くない』しか出てこないでしょう。しかも面白くなかったら途中で読むことをやめてしまうので、結局最後まで読めば、面白かったという当たり前の感想しか出てきません。」

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書き方の基本をレクチャーする陰山先生

「それともう一つ、注意してほしいことがあります。最初から読書感想文を原稿用紙に書くのはおすすめしません。原稿用紙に向き合うと、だいたいみんな最初の一行目だけ書いて、その後は書けなくなってしまいます。」
最初は原稿用紙に書いてはいけないとは、やや驚きです。

そして陰山先生が用意したのが、5枚の短冊。この短冊を使って、読書感想文を書いていくというのです。

<ポイント>最初から原稿用紙には書き始めない!

5枚の短冊を使った読書感想文の書き方とは…

陰山先生が推奨する方法はこちら。

STEP1 まず5枚の短冊に思いついたことを色々書いてみる。
STEP2 5枚の短冊をわかりやすい順番に並べる。
STEP3 短冊に書かれた内容をふくらませながら、原稿用紙を埋めて作文を完成させる。

これは、どんなに作文が苦手な子でも書けるようになる方法とのことです。

5枚の短冊には、具体的に以下のことを記載します。

1枚目:一番面白かったこと
本を読んで、一番面白いと感じたことを自分の言葉で自由に書きます。すぐに出てこない場合は、本の内容が頭に入っていないのかもしれません。保護者も一緒に、もう一度読み直してみましょう。

2・3枚目:面白かった文章
文中の面白かった文章をそのまま書き出します。物語の中には、クライマックスにつながる“ストーリーの転機”がいくつか存在します。その文章を抜粋することができれば、より良い読書感想文につながります。

4枚目 どうして面白かったのか
一枚目の短冊に書いた内容が、なぜ面白かったのかを書きます。
実はここが一番重要で、読書感想文の軸となる部分です。なぜお子さんがこの本を選んだのかが、自然と浮き彫りになるはずです。

5枚目 最後のまとめ
この本を読んで「今後自分はこうしていきたい」「こんな本をもっと読んでみたい」というような、“今後につながる文”であれば何でもOKです。

上記が読書感想文の基本の書き方になります。
各短冊の内容は最初から一つに絞る必要はありません。思いついたものを何個でも自由に書いて、その中から最終的に一つを選んでも大丈夫です。

ちなみに陰山先生は、本の執筆をする際にはまずこの方法で目次を作成するそうです。08.jpg

どの部分が面白かったかを、生徒一人一人に聞いてまわる陰山先生。面白かった理由に「絵が面白かったから!」と答えるお子さんも。

陰山先生は「絵が面白かったことも、感想文に書いてもOKです。その代わり、文章もちゃんと読んでね。」とアドバイス。

<ポイント>各短冊には思いついたことをどんどん書いてOK。

書けなかったら、質問を織り交ぜた読み聞かせを!

一人でスラスラと書き始める子や、保護者と相談しながらなんとか書く子もいれば、全く書けずに苦戦する子も。そんな苦戦する子を見て、陰山先生が動きました!

「本の内容を、もう一度ちゃんと頭に入れた方が良いかもしれませんね。私が読み聞かせをしましょう。」

ここで一部のお子さんを対象に、急遽別室にて陰山先生による読み聞かせを行うことに。ただ読んで聞かせるだけではなく、陰山先生はストーリーの随所で
「なぜ登場人物はこのときこんなことを言ったのかな?」
「もし自分がこの立場に立ったら、どんな行動をする?」
と質問を投げかけ、子どもたちの思いを引き出していきます。

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読み聞かせを経て、最初はなかなか書けなかったお子さんたちも、少しずつ短冊に文字を書き出しました。書いたり消したりを繰り返し、本を読み直し、お母さんと相談して…。お子さんたちの一生懸命な様子が伝わってきます。
保護者たちも陰山先生のように、「何でこの部分が面白いと思ったの?」などと質問をして、お子さんの感情を引き出せるようになってきました。

<ポイント>質問を投げかけながら、お子さんの気持ちを上手く引き出そう。

ここでちょっとした“裏技”も紹介!

ここで陰山先生は読書感想文の書き方の裏技を紹介。

「お子さんからなかなかアイデアが出ない場合は、おうちの人と相談して、おうちの人が言ったことをそのまま書いても良いのです。一番のおすすめは、お母さんでもお父さんでもなく、おばあちゃんやおじいちゃんの言葉を書くこと。」

年齢を重ねた人の言葉には深みがあります。その言葉をそのまま取り入れれば、読書感想文がレベルアップするそうです。

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<ポイント>おばあちゃんやおじいちゃんにも意見を聞いてみよう。

スラスラと書き始める子も

そしてレッスン開始から約一時間。お子さんたちの大半は、5枚の短冊をしっかりと書きあげました。

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あとはこの5枚の短冊に書いたことを、内容をふくらませながら原稿用紙に清書していきます。

ほとんどのお子さんは、1~5枚目の短冊の順番を入れ替えることなく、そのままの並びで読書感想文を書き始めることになりました。

何度も課題図書を読み返し、保護者と本の内容について話して、5枚の短冊を書きあげたお子さんたち。自然と、原稿用紙にスラスラと文章を書き始める子もいました。

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「文章を書くのが好きな子は手を挙げて。」そう聞かれて誰も手を挙げなかった、レッスン冒頭の風景を忘れてしまうほどでした。

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今回のレッスンは90分と時間が限られていたため、原稿用紙への清書は自宅で継続して完成させることになりました。一生懸命作った5枚の短冊と執筆途中の原稿用紙を持って、お子さんたちは元気に帰っていきました。

陰山先生からのメッセージ

「書くという作業自体が学習の本質です。書くことは学習そのものにつながります。お子さんが普段どれだけ書いているかは、学校の授業で使用しているノートを見ればわかります。ノートにたくさん書かれていればよいのですが、あまり書いていない状態ですと、作文を書くことは難しいかもしれません。まずは日々のノートを書くところから練習してみましょう。

スマホやゲーム等の普及によって本を読む機会が少なくなっていると感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は日本の子どもの読書量は世界的にトップクラスです。特に2000年からは小学生の読書量が格段に増えているのです。ちゃんと本を読んでいるお子さんも多いはずですから、“苦手だから…”とあきらめずに、読書感想文に取り組んでみましょう。」

いかがでしたか?ぜひ今年の読書感想文に取り組む際に、参考にしてみてくださいね!

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